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FORD GT特集 補足: 禁断の非ルマン ~ Spark Ford GT-X1 セブリング12時間ウイナー

当ブログでも都度特集でご紹介して来たフォードGT40、先回でスパーク製のMk-2、'66年ルマン出場車8台のご紹介が終わりましたが・・・。

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当方はフォードGTに関してはルマン出場車、それもワークス系を中心とした主要マシンに収集を限定すると心に決めていました。そうしないと延々とGT40のモデルだけを買い続ける事になりそうだったからです。・・・”だった”のですが、、、先頃公開された映画”フォードVSフェラーリ(原題FORD v FERRARI)”でデイトナ24時間レースの熱いシーンを観てしまい、絶妙なタイミングでスパークからデイトナ24時間、セブリング12時間仕様の再生産がアナウンスされてしまっては、もう、ダメでした(笑)。。。ケン・マイルズの幻の耐久レース3冠をモデルで偲びたい・・・気が付くとFORD GT収集で自らに課した掟は反故にされ、お世話になっているショップさんに予約を入れてしまったのでした。。。

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↑多分に先行試作的な意味合いも強かったGT-X1。外観的にはオープンボディが特徴的ですが、その核心はアルミシャシーによる車重の軽量化でした。当初は'65年のMk-2をベースとしたロングノーズのカウルでしたが、このセブリング出場時までに'66年のMk-2タイプのものに変更されています。

・・・と言うことで、今回は先ずセブリング12時間仕様のGT-X1をご紹介します。このマシンの最も分かりやすい特徴は一般的なフォードGTと異なるオープンボディですが、実は最大の相違点はオールアルミ製のシャシーにあります。これは言うまでもなく、フォードGTの大きな弱点である車両重量を軽減する事を目的としていました。'65年からマクラーレンの元で開発をスタート、翌シーズンはシェルビーアメリカンに開発が委譲されました。'66年のセブリング12時間勝利を花道にGT-X1は引退、車両は解体されてしまったようです。多分に実験的な要素の強かったGT-X1ですが、そのアルミボディのノウハウは'67年のGT-Mk4に活かされる事となりました。

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↑このモデルはセブリング12時間ウイナーという事で、側面に蓋のついた紙スリーブに納められています。先のルマン・ウイナーもそうですが、ちょっとした事で特別な感じが演出されていると感じます。

このGT-X1の最も輝かしい戦績がセブリング12時間レースにおける優勝で、ドライバーはデイトナ24時間と同じケン・マイルズ/ロイド・ルビーの黄金コンビ。終盤、ケン・マイルズとダン・ガーニーの熾烈なトップ争いの末マイルズが優勝。ガーニーはエンジンをブローさせ、マシンを手で押して2位に入賞したとの事です。デイトナ24時間、セブリング12時間と国際格式の耐久レースを連覇したマイルズ/ルビーの2人は、前人未踏の耐久レース3冠を目指しましたが、ロイド・ルビーは飛行機事故で脊髄を骨折してしまいルマンには出場出来ず・・・ケン・マイルズの相棒はデニス・ハルムが務める事となりました。

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↑製品価格的な事もあり物凄く精密という訳ではありませんが、クローズドボディではよく見えないコックピット内が見渡せるのもこの製品の魅力の1つ。シートの形状は通常のフォードGTとは異なる物です。当時のサーキット特性に合わせて右ハンドルでありながら、シフトノブがドライバーの右側(車体外側)に配されているのが興味深いです。

モデルは先述の通りスパーク製レジン完成品で、映画フォードVSフェラーリの日本公開と絶妙なタイミングで再生産されたものです。少量生産に適したレジン製品らしく、通常のクローズドボディとは異なるスタイリングを再現。特にフロントガラスとピラー周りの繊細さはダイキャスト製品では難しい部分かも知れません。オープンボディ故にコックピット内がよく見えるのも本製品の魅力の1つ。右ハンドルでありながら車両中央ではなくドライバーの右側(ドア側)にレイアウトされたシフトノブ、助手席足元の消火器等々、コンペティション・マシンらしいスパルタンな雰囲気を楽しむ事が出来ます。スパークでは同年のデイトナ24時間ウイナーも同じタイミングで再生産、このモデルについては次回ご紹介したいと思います。

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FORD GT特集 補足:Spark FORD GT Mk-2 Le Mans 1966 #1 本当の勝者は・・・。

だいぶ間が空いてしまいました・・・。

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↑映画”フォードVSフェラーリ”のワンシーンを再現・・・、久しぶりにフォトレタッチでライトを光らせて遊んでみました。ミニカーのライトは点灯しません(笑)。本当は'66年ルマンでGT-Mk2と闘ったフェラーリは330P3だったのですが、ミニカーを持っていないので'67年の330P4(イクソ製海外パートワークアイテム)に代役を依頼。まあ、P3とP4はぱっと見の外見は似ているし、カラーリングやゼッケンも同じなのでご容赦下さい。

いや~、'66ルマンのフォードGT Mk-2も後1台を残すのみという所で更新を3週間サボりました。ブログ開設以来最長かも知れません。別段何があった訳でもないのですが、今ちょっとミニカー以外のTOYにかまけているのが大きいかな・・・。ともあれ、1ヶ月サボると不名誉な広告が出てしまうし、立ち直れなくなりそうなので頑張って更新しようと思います。・・・と言う事で、ようやくケン・マイルズ/デニス・ハルム組のカーNo.1、1015号車です。圧倒的な速さを見せ、レース終盤にも2位のカーNo.2に1周の差を付けていたにも関わらず、フォード上層部が3台並んでのゴールを望んだ結果、総走行距離の関係でブルース・マクラーレン/クリス・エイモン組に逆転勝利を許すという不運に見舞われてしまいました。(事の詳細は先回の記事を参照下さい)。

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↑スパークのGT-Mk2はレジン製品の特性を活かして各車両の個体差を再現、ダイキャストではミニチャンプスからもカーNo.2,3の素晴らしい製品が発売されていますが、ルーフのコブの有無の問題か、カーNo.1 ケン・マイルズ/デニス・ハルム組のマシンは発売されていません。

'66年のルマン、ケン・マイルズはセブリング、デイトナで勝利し、耐久レース3冠という前人未踏の記録に挑んでいたのですが、この夢は儚くも消え、更にはその数ヶ月後にはGT-Mk4開発中の事故で他界してしまい、彼の夢は叶えられる事はありませんでした。マイルズに代わってルマン優勝の栄誉に輝いたブルース・マクラーレンも、後にレース中のアクシデントで亡くなっており、こうした事実は当時のモータースポーツが如何に危険であったかを物語っているように思います。

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↑映画”フォードVSフェラーリ”での活躍によって、かのカラーリングの格好良さはより一層当方の心に刻みつけられたように思います(笑)。

モデルはスパークの1/43レジン完成品で、ドライバー側ドアのルーフ部にコブなし、ゴールドのホイールに左右ともシルバーのスピンナーという仕様です。ライトブルーのボディにホワイトのストライプ、蛍光レッドの識別カラーは、映画でも鮮烈な印象を残しました。改めて見てみると、シェルビー陣営の3台は標識灯も位置など細部の仕様に統一感があり、ホールマン&ムーディやアランマン陣営のマシンに比べて個体差が少ないように感じます。(ルーフのコブはドライバーの身長に対応した物なので致し方なし・・・。)この辺りはやはり、マシンのコンストラクターとして熟成が他より進んでいたのか・・・各車のモデルを眺めていてふとそんな事を考えてしまいました・・・。

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↑スパークのルマン出場車モデルは、ウイナー車両のみ特別なスリーブに納められています。本来であればこの”白い箱”に収まるのは1015号車だったかも知れないのですが・・・。

●ネタバレ・映画フォードVSフェラーリと歴史的事実の相違点!?

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フォード好きな当方大興奮の映画”フォードVSフェラーリ(原題FORD v FERRARI)”ですが、エンターテイメントとしてのストーリーの盛り上げや、数年間の出来事を2時間半程の中で語るための省略のため、史実と異なる部分が散見されます。細かい事をいうときりが無いので当方が気になった点を記してみたいと思います。尚、今回も映画とA・J・ベイムの著書”フォードVSフェラーリ 伝説のルマン”の対比を基にしたお話になります。映画と本のネタバレがありますので、未見・未読の方はご注意願います。

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↑こちらは過去のフォードGT特集でご紹介したイクソ製モデル。高価な金型を使用したダイキャストモデルながら、ルーフのコブなどのディテールを作り分けています。こちらもその拘りはなかなかに熱い製品です。

その4: '66年、エンツォ・フェラーリはサルテサーキットには来ていなかった!!
映画では'66年ルマンのサルテサーキットにエンツォ・フェラーリが来ており、ヘリコプターで食事に出掛けるヘンリー・フォードⅡ世を揶揄したりしていましたが、エンツォはルマンに限らず、レース中のサーキットに現れる事は殆どなかったと言われています。なので、映画で描かれたルマン・サルテサーキットでのエンツォ・フェラーリの言動は架空の物なのですが、レースフィニッシュ後、エンツォが帽子を取ってケン・マイルズに挨拶をするシーンは個人的には好きな部分です。レースの本当の勝者を知るエンツォはヘンリー・フォードⅡ世でも、キャロルシェルビーでも、マクラーレン/エイモンではなくケンに敬意を表する-。このシーンは、フェラーリを単なる悪者・敵役にしない良い演出だったなと思います。

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FORD GT特集 補足:Spark FORD GT Mk-2 Le Mans 1966 #2 勝利の栄冠に輝いたマシン

非常事態宣言全面解除も近い?今日も自宅でできるブログ更新継続です。

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さて、今回ご紹介するのは最終的に'66年ルマン優勝の栄冠に輝いたカーNo.2 1046号車です。ドライバーは共にニュージーランド出身のブルース・マクラーレンとクリス・エイモン。マシンはニュージーランドのナショナルカラーであるブラックとシルバーに塗られ、右フロントフェンダーにはNZのロゴも入っています。マシンを見た2人のドライバーはとても喜んだと言われています。粋な計らいですが、渋いカラーリングはFORD GTの筋肉質なボディとも相まって、独特の凄味を感じさせます。実質2位のポジションにいましたが、レース終盤に3台同時ゴールという演出を行った結果、走行距離の最も長かった者が優勝というルマンのレギュレーションの綾により最終的に'66年の栄冠を手中にする事となったのでした(予選下位だったマクラーレン/エイモン組の方が、マイルズ/ハルム組より後方スタートだった分走行距離が長かった)。

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↑2人のニュージーランドドライバーに合わせ、ブラックとシルバーのナショナルカラーに塗られたカーNo.2 1046号車。フォードの戦略、ルマンのレギュレーションなど複合的な要因が絡み合い、最終的に総合優勝の栄誉を担いました。

モデルは今回もスパークのレジン完成品、ドライバー側ドアのルーフにコブあり、ゴールドのホイールにシルバーのスピンナー、タイヤはグッドイヤーを履いています。カーNo.2はシェルビー・アメリカンの3台の中では唯一、スタート時はファイヤーストーンのタイヤを履いていましたが、これはドライバーのブルース・マクラーレンがファイヤーストーンと契約していた事による物。ところがレース開始後、タイヤのグレイニングが発生、ピットストップ時にグッドイヤーに交換したのでした。この問題と、タイヤ交換時のレギュレーション確認によって、マクラーレン/エイモン組は後退を余儀なくされ、この事がなかったら件のパレード走行がなくても優勝していた可能性もあったと言われています。様々な要因が複雑に絡み合った結果としてのリザルトだったと言えるかも知れません。

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↑モデルはスパークの1/43レジン完成品。過去にご紹介したことがありますが、今回は一応新たに撮影をしました。グッドイヤーのタイヤを履いているので、スタート時では無くタイヤ交換後の姿を再現した物。パレード走行の再現には都合が良い状態です。

●ネタバレ・映画フォードVSフェラーリと歴史的事実の相違点!?

さて、評論家や観客からの評価も高く、当方も大好きな作品である映画、”フォードVSフェラーリ(原題FORD v FERRARI)”映画の尺で数年の出来事を語るための省略や、エンターテイメントとしての演出等により歴史的事実と異なる点が散見されます。今回もA・J・ベイムの著書”フォードVSフェラーリ 伝説のルマン”との対比を軸に気付いた点を記してみたいと思います。毎回記していますが、上記映画と本のネタバレがありますので、未見・未読の方はご注意願います。

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その3: ケン・マイルズは'65年のルマンに出場していた!!
映画ではすっかり悪役に仕立て上げられてしまった副社長、レオ・ビーブの差し金により'65年のルマンドライバーから外されてしまい、アメリカのシェルビーファクトリーで一人寂しくルマンのラジオ中継を聴いていたケン・マイルズですが、実際には彼は'65年のルマンに出場していました。この年フォードは2台のGT Mk-2をエントリー、カーNo.1がブルース・マクラーレン/ケンマイルズ組、カーNo.2がフィル・ヒル/クリス・エイモン組というラインナップでした。ただし、ケン・マイルズはブルース・マクラーレンからドライブを交代してすぐにギアボックストラブルでリタイヤ、殆ど走ることが出来ずにこの年のルマンを終えました。

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↑こちらは過去の特集でご紹介したイクソ製のモデル。新製品当時の通常価格帯ダイキャスト製1/43モデルとしては、各車の作り分けは素晴らしいものでした。

・・・という事で、ケンマイルズがドライバーラインナップから外されるというのは映画の中だけのお話でした。歴史的事実としては'64年のフォードのルマン参戦時はまだシェルビーアメリカンが関わっておらず、結果的にケン/マイルズもフォードGTに乗っていなかったので、映画で描かれた'65年は史実の'64年と'65年をミックスして、そこにフォード側からの横槍というストーリーを付加したのではないかと推測します。ネットで調べてみても、レオ・ビーブという人は実際はもっと立派な人物だったというような記述もあり、映画では本当にとんだ悪役に仕立て上げられてしまったものです。こういう場合、悪役相当の人間は架空の人物にしておいた方が良かったのではないかなと思いました。

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FORD GT特集 補足:Spark FORD GT Mk-2 Le Mans 1966 #3 シェルビー・アメリカンのマシン

緊急事態宣言の効果が徐々に出始めているでしょうか?まだまだ気を緩めずにブログ更新したいと思います。

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・・・お送りしているフォードGT特集の補足、'66年ルマンはいよいよシェルビー・アメリカンがエントリーしたマシンたちに移ります。今回ご紹介するのはカーNo.3、1047号車です。レッドのボディにホワイトのストライプが目に鮮やかなマシン。ドライバーはダン・ガーニー/ジェリー・グラントの2人で、この3号車は2人のドライバーを含めオールアメリカン。予選では3分30秒6というラップタイムを叩き出しポールポジションを獲得、本戦でも一時トップを走るなど活躍しますが、18時間目にオーバーヒートからヘッドガスケットを破損して惜しくもリタイヤとなりました。レッド&ホワイトのボディカラーを引き継いだGT Mk-4とダン・ガーニーは、翌'67年のルマンで大きな成果を残す事になります(もう一人のドライバーはA・Jフォイト)。

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↑大活躍したカーNo.3 1047号車。惜しくも17時間目にリタイヤ、シェルビー・アメリカンのエントリー車による1~3位独占は実現しませんでした(3位はホールマン&ムーディーエントリーのカーNo.5)。

モデルは毎度お馴染みスパークの1/43レジン完成品です。ドライバー側ドアのルーフ部にコブあり、ルーフのドア開口部には先回ご紹介した4号車とは異なる形のカバーというかフランジのようなディティールがモールドされています。こうしたボディ本体に関わる形状の作り分けは、レジン完成品の特質が活かされていると言えると思います。ホイールは4輪ともゴールドでスピンナーはシルバー、タイヤはグッドイヤーを再現してあり、この辺りのディテールは過去にご紹介したイクソ製モデルと近いです。都度同じ事を記していますが、ダイキャストでルーフのコブなどを作り分けたイクソ製モデル頑張っているなと思います。

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↑フェラーリに対抗するようなレッドのボディも中々にカッコ良いです。スパークのモデルは今にも走り出しそうな車両姿勢が良い雰囲気です。

●ネタバレ・映画フォードVSフェラーリと歴史的事実の相違点!?

今年に入って日本でも公開され、先頃映像ソフトも発売になった映画”フォードVSフェラーリ(原題:FORD v. FERRARI)”。誤解のないように申し上げると、私も大・大・大好きな作品で、劇場で鑑賞後ソフトも購入して繰り返し観ています。実話をベースとしたレース映画として”グランプリ”や”栄光のルマン”に並び得る一級のエンターテイメント作品になっていると思います。しかし、現実世界で4年に渡る話を153分で語るためには大幅な省略が、またエンターテイメント性を高めるためには事実の誇張や改変が必要だったであろう事は想像に難くありません。先回に続き、映画とA・Jベイム氏の著書”フォードVSフェラーリ”との比較を中心に、気になった点を記してみたいと思います。例によって上記映画と本のネタバレがありますので、未見・未読の方はご注意願います。

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その2: アイアコッカはフェラーリとの提携交渉の席には着いていない!?
映画ではフォードとフェラーリの合併交渉のため、リー・アイアコッカがイタリアのモデナに赴いた事になっていましたが、実際にフェラーリ社を訪問したのは'64年4月の初協議は技術者のロイ・ランを中心とするメンバー、5月の最終契約締結時は技術担当のドナルド・フレイを中心とするメンバーだったようです。映画でもドン・フレイ(眼鏡を掛けた人物)はアイアコッカと共にフェラーリ社を訪問していましたが、重要な契約の締結にビジネスの専門家ではなく技術担当者を向かわせたのは、エンツォ・フェラーリの気質を考えた深謀遠慮だったのかなという気もします。A/Jベイム氏の著書によると、実際二人は意気投合、フェラーリはフレイを工学博士と呼んで一緒にドライブに出掛けるなど、両社の提携は最終的には上手く行かなかったものの、個人的には親交を深めたようです。

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↑こちらはイクソ製モデル。毎回同じ事を記してしまいますが、ダイキャストにしてこの作り分け、イクソのモデルも素晴らしいと思います。

映画での活躍は少なかったですが、このドン・フレイという人物は後にフォードの技術担当重役になる人で、アイアコッカをマスタングのプロジェクト全般の父とすると、技術開発面での父とも言えるような人です。余談ですが、映画でアイアコッカが重役にマスタングプロジェクトのプレゼンをする際、「ジェームス・ボンドが乗りたくなるような車・・・」と言いながらアストンDB5の傍らに佇むショーン・コネリーの写真を使っていましたが、DB5のボンドカーが登場するのは'64年公開の007ゴールドフィンガーからで、あろう事か同作には初代マスタングのコンバーチブルも登場、DB5の秘密兵器でタイヤとボディを切り裂かれていました・・・と、マスタング好きとしては突っ込まざるを得ません(笑)。

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FORD GT特集 補足:Spark FORD GT Mk-2 Le Mans 1966 #4・・・と、映画フォードVSフェラーリ。

お籠もりGWもあっという間に終了、1回くらいはブログを更新しておこうと思います。

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今回ご紹介するのはホールマン&ムーディーからエントリーした最後の1台、カーNo.4 1032号車です。カッパーメタリックのボディにグリーンの識別カラー、ノーズの識別カラー面積が広いのが印象的で、よく見るとフロントフェンダーからドアの前端に掛けて、ブラックのピンストライプも入っているようです。ドライバー側ドア上部のコブなし、ルーフのドア縁に風よけのようなカバーが装着されています。タイヤはファイアーストーンを履きホイールは4輪共にゴールドですが、一部にグリーンのマーキングが施されています(4輪ともなので左右の識別ではなさそう・・・何のため?)。ドライブしたのはポール・ホーキンス/マーク・ダナヒューのコンビで、スタートから5時間でギアボックストラブルのためリタイヤしています。

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↑ホールマン&ムーディからエントリーしたカーNo.4 1032号車。ポール・ホーキンス/マーク・ダナヒューのドライブでしたが、5時間目にギアボックストラブルでリタイヤ。ホールマン&ムーディーで完走したのは、先回ご紹介した5号車1台のみでした。

モデルは言わずもがなのスパーク製1/43レジン完成品で、プロポーションやフィニッシュは他の66年ルマン出場車同様の良好なまとまりを見せています。先述のドア上部のディテールや標識灯の位置など、各号車毎のディテールの作り分けは流石と言うべきでしょうか。過去にご紹介したイクソのモデルも、ダイキャスト製としては驚くべき作り分けがなされていましたが、やはりレジン製という事もあり、この点に関してはスパーク製に分があるように思います。ボディカラーや識別カラーの色調にも解釈の違いがある点も興味深いです。何分実車を見たことがないので、どちらがリアルかなんて野暮は言わないでおこうと思います。

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↑スパークのモデルはレジン製という特性を活かし、細部の作り分けに秀でています。イクソ製モデルもダイキャストとしては驚異的な作り分けでしたが、この点に関してはやはりスパークに分があるように思います。

 ●ネタバレ 映画フォードVSフェラーリと歴史的事実の相違点!?

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↑連休中に発売となったフォードVSフェラーリのブルーレイ/DVDセット。アウターケースはうっかり嬉しい(笑)。パッケージに”お家でブルーレイ、クルマや外でDVD!”と書いてありますが、個人的にはやっぱりDVD無しでその分安くして欲しかったかな・・・。このセットでは、映像特典はブルーレイディスクのみに収録されています。

この連休中、予約していた映画”フォードVSフェラーリ(原題;FORD v FERRARI)”のブルーレイ/DVDが届きました。先ずは映像特典を全て観て、続いて本編を英語と吹き替えで各1回鑑賞、勢いでA・J・ベイムの著書”フォードvsフェラーリ 伝説のルマン(原題;GO LIKE HELL FORD, FERRARI AND THEIR BATTLE FOR SPEED AND GLORY AT LE MANS)”を再読破、お籠もりGWを満喫しました。・・・結果、映画と史実の違いが色々と見えてきたので、気付いた事を数回に渡り記してみたいと思います。上記映画と本の比較がメインなので、全てが正しいかどうかは分かりません。その位の認識で見て頂ければ幸いです。尚、映画と本の内容に関するネタバレがありますので、未見・未読の方はご注意下さい。

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↑こちらは過去にご紹介したイクソ製のモデル。ボディカラーや識別カラーの解釈には違いが見られて興味深いです。

その1:フォードGT開発の開始について。
これは以前も記した事がありますが、映画ではキャロル・シェルビーが最初からフォードGTの開発に関わったような描かれ方をしていましたし、何とは無しにですが、本格的な開発開始が'64年でルマン初参戦が'65年という話になっているように感じられました。実際にはフォードGTの開発は'63年、ジョン・ワイヤーとロイ・ランを中心にしてスタート、'64年にルマンに初参戦しますが全車リタイヤと惨敗。翌'65年からプロジェクトはキャロル・シェルビーに委ねられ、参戦3年目の'66年にようやく勝利を手中にします。シェルビーがフォードGTプロジェクトに先立って'63年からコブラをルマンに送り込んだ事、デイトナコブラで'64年にクラス優勝・総合4位を獲得した事は全く語られていません。アストンマーチンのレース活動を指揮していたジョン・ワイヤーをフォードに紹介したのは誰あろう、'59年のルマンにドライバーとして出場し、アストンマーチンDBR1を勝利に導いたキャロル・シェルビーその人でした・・・。

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FORD GT特集 補足: Spark FORD GT Mk-2 Le Mans 1966 #5

緊急事態宣言による不要不急の外出抑制、多少の効果が見えて来たでしょうか?今週末も自宅で出来るブログ更新行ってみたいと思います。

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1966年、ルマン必勝を期したフォードは大挙8台のGT Mk-2を送り込みました。何度も記したようにシェルビー・アメリカン3台、ホールーマン&ムーディ3台、アラン・マンレーシング2台という陣容でしたが、計16人のドライバー決定に関しては様々なアクシデントもあり難航します。予定していたメンバーの内、A・J・フォイト、ジャッキー・スチュワートが別のレースでのクラッシュにより負傷、ケン・マイルズのパートナーであるロイド・ルビーは飛行機事故で負傷、そしてフィル・ヒルはフォードのマネージメントと衝突し、ライバルであるシャパラルと契約する事となったのでした・・・。先回記したように、当時注目の若手だったマリオ・アンドレッティに声を掛けるなどした結果、フォードの'66年ルマンのドライバーラインナップは以下のようになりました。

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↑ホールマン&ムーディ陣営で唯一24時間を走り切り、トップから12周遅れながら3位でフィニッシュしたロニー・バックナム/ディック・ハッチャーソン組のカーNo.5。リザルトからすればシェルビー・アメリカンとの差は歴然ですが、一応の面目は保ったと言えるでしょうか。

●'66年ルマン フォードGT Mk-2ドライバーリスト
カーNo.1(1015号車) ケンマイルズ/デニス・ハルム
カーNo.2(1046号車) ブルース・マクラーレン/クリス・エイモン
カーNo.3(1047号車) ダン・ガーニー/ジェリー・グラント
カーNo.4(1032号車) ポール・ホーキンス/マーク・ダナヒュー
カーNo.5(1016号車) ロニー・バックナム/ディック・ハッチャーソン
カーNo.6(1031号車) ルシアン・ビアンキ/マリオ・アンドレッティ
カーNo.7(XGT-2号車) グラハム・ヒル/ブライアン・ミュアー
カーNo.8(XGT-1号車) ジョン・ウイットモア/フランク・ガードナー


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↑ゴールドのボディカラーにピンクのマシン識別カラー、右ドア上部にコブあり仕様。´66年ルマンにエントリーした8台のMk-2の内、このマシンのみノーズからドア先端部までホワイトのピンストライプを纏っているのが印象的です。何気にカッコ良いカラーの1台だと思います。

今回ご紹介するのはロニー・バックナム/ディック・ハッチャーソン組のカーNo.5(1016号車)、ホールマン・ムーディーからエントリーした3台の中では唯一24時間を走り切り、シェルビー・アメリカンの2台と共にパレード走行の栄誉に浴したマシンです。ゴールのボディにピンクの識別カラー、ドライバー側のドア上部にはヘルメットを収めるためのコブがあるタイプ。シェルビー・アメリカンの3台がソリッドカラーだったのに対し、ホールマン&ムーディーの3台は全てメタリックカラーを纏っているのも対照的で興味深いです。私見ですが、ひょっとしたらこれ自体がチームの識別になっていたのかも知れませんね・・・。また8台のMk-2の内、この車のみノーズからドア前端にかけてホワイトのピンストライプが入っています。

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↑こちらは過去にご紹介したイクソ製モデル。本文に記したホイールやホイールスピンナーの色違いなど、細部考証に差異が認められます。H&M陣営ながらタイヤはスパーク製、イクソ製共にグッドイヤーを装着しています。改めて見直すと先回ご紹介したカーNo.6は、スパーク製がファイアーストン、イクソ製がグッドイヤーを履いています。途中のタイヤ交換で変更された可能性が高いかも知れません(シェルビー陣営の2号車はファイアーストンタイヤでスタートし、途中でグッドイヤーに交換していた)。

モデルはスパークの1/43レジン完成品で、プロポーション、フィニッシュ共に上々の仕上がり。過去にご紹介したイクソ製モデルと比較すると、ホイールの色がイクソは4輪ともゴールドに対しスパークは前輪がシルバー、ホイール・スピンナーはイクソが右2輪がブルーのアルマイト処理風、左2輪がクロームに対し、スパークは4輪共にブルーのアルマイト処理風と、細部の考証が微妙に異なっています。余り深追いするつもりはありませんが、どちらかが正しいのか?どちらも正しくないのか?興味のある部分ではあります。尚、タイヤはホール&ムーディ陣営ながらイクソ/スパーク共にグッドイヤーとなっているのでこれは間違いではなさそうです。ドライバーの契約の関係か?途中で入れ替えたのか?これも面白いですね。

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FORD GT特集 補足:Spark FORD GT Mk-2 Le Mans 1966 #6

自宅で出来るブログ更新、今回も'66年のフォードGT Mk-2のご紹介です。

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以前も記しましたが、'66年のルマンにフォードは大挙8台のワークスMK-2を投入。その全てをシェルビー・アメリカンでマネージメントする事は困難なため、シェルビー・アメリカン3台、ホールマン&ムーディ3台、アラン・マンレーシング2台という体制でレースに臨む事となりました。この状況について先に公開された映画”フォードVSフェラーリ(原題:FORD v. FERRARI)”では、エンターテイメント性を高めるためかシェルビー陣営と副社長レオ・ビーブを中心とするフォード側スーツ組の暗闘が誇張して描かれ、スーツ組の陰謀的な語られ方がされていました。しかし事実を丹念に拾って書かれたA・J・ベイムの著書”フォードVSフェラーリ 伝説のルマン”を読むと、実際はそこまで極端な事では無かったように思えます(悪者代表みたいにされたレオ・ビーブ氏が不憫・・・)。

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↑シェルビーアメリカン的なカラーリングを纏ったホールマン&ムーディ陣営の1031号車。ボディカラーのブルーとは補色の関係になるイエローの識別カラーが鮮やかです。リザルトは残念ながら7時間目にエンジントラブルでリタイヤ。

とは言え、同じアメリカのチームとして直接比較されるし、ホールマン&ムーディは長年のNASCARでの活躍によりフォード社との関係も深く、使用タイヤの面でもファイアストーンとの繋がり強かったため(シェルビーはグッドイヤータイヤを使用)キャロル・シェルビーの心中は穏やかで無かったとベイムの著書にも記されています。結果としては'66年のルマンはシェルビー陣営が1・2位、ホールマン&ムーディが3位というリザルトだったので、シェルビー・アメリカンが面目を保ったと言えるのではないかと思います。フォードは翌'67年もシェルビー2台、ホールマン&ムーディ2台のMk-4ワークス体制でルマンに臨みますが、結果はシェルビーが1位と4位、対するH&Mは2台ともリタイヤとなりました。実績から見れば、やはり耐久レースとNASCARとは別物と言えるのかも知れません。

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↑スパークのモデルはレジン製ならではの細かな仕様違いの造り込みがなされ、仕上がりも美しく、ダイキャスト製品との価格差も少なくて有難いです。どんなに素晴らしい製品でも、価格が高過ぎればおいそれとは買えません。

今回ご紹介するのはホールマン&ムーディーからエントリーした1台、カーNo.6 1031号車。ドライバーはルシアン・ビアンキと、当時はまだ”注目の若手”だったマリオ・アンドレッティ。アンドレッティはフォードとの契約の前にフェラーリからもワークスドライバーとしての打診を受けていたのですが、「自分はまだ経験不足なので1年待って欲しい。」と断っていたとの事。ブルーメタリックのボディにホワイトのストライプという、シェルビーの定番っぽいカラーリングがホールマン&ムーディ陣営に振り当てられていたのが不思議な感じのする1台です。リザルトはレース開始後7時間でエンジントラブルによりリタイヤ。後にF1ワールドチャンピオンになるアンドレッティですが、ルマンでは翌'67年もリタイヤを喫しており、このレースとは余り相性が良くなかったようです。

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↑上の画像は過去にご紹介したイクソ製ダイキャストモデル。スパーク製モデルのボディカラーのブルーメタリックは、ixo製品より明るい色調です。何分実車を観た事がないので、どちらが考証的に正しいのかは良くわかりません。

ご紹介するモデルは例によってスパークのレジン完成品1/43モデル。ブルーメタリックのボディにホワイトのストライプ、ノーズ部分は鮮やかなイエローの識別カラーを纏っています。過去にご紹介したixo製モデルと比べると、ブルーメタリックの明度が高く明るい感じの仕上がりとなっています。タイヤはホール&ムーディ陣営らしくファイアストーンのロゴがプリントされ、塗装やゼッケンなど各種表記も美しく、ウインドウ類のフィッティングも良く安定した仕上がりです。・・・が、スパークに限らずレジン完成品モデルの多くが台座から外す都度にシャシーが削れて白い粉が発生するのはちょっと心配になります。精神衛生上よろしくないですし、内装部分に削れた粉が入り込んでしまう事もあるので注意が必要です。

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FORD GT特集 補足: Spark FORD GT Mk-2 Le Mans 1966 #7

不要不急の外出を避け・・・そうだ、ブログ更新しよう。

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日が経つにつれどんどん深刻さを増すコロナウイルス問題、感染者数も右肩上がりで増えていますが、緊急事態宣言の効果の有無がはっきり現れるのは1~2週間後でしょうか。当方の勤め先も1日おきの在宅勤務となりました(1日出社したら翌日は在宅勤務)。慣れない在宅勤務は勝手が悪くストレスが溜まりますし、家族にも余計な負荷をかけてしまっています。さすがに閉塞感が高まりますが、不要不急の外出を我慢し、宣言が無駄にならないように協力したいと思います。そんな中、自宅で出来るブログ更新の方は引き続きフォードGT特集の補足をお送りします。

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↑このスパーク製モデルもイクソ製も、カーNo.7のみバックミラーが装着されています(実車も他のマシンはミラーがないっぽい!?)。ドライバー席側はドアに、助手席側はフロントカウルの後端に設置されています。ドライバー席からの視認性のためと思われますが、闘うマシンという凄味が感じられます。

今回ご紹介するのはアラン・マンレーシングからエントリーした2台目のマシン、カーNo.7(X-GT2)で、先回ご紹介したカーNo.8(X-GT1)と同様、フォードGTの弱点である車重を緩和するため、メインモノコックをスチールからアルミに置き換えた改良型でした(車体番号の体系が他の6台と異なるのはそのためと思われます)。ドライブしたのはグラハム・ヒル/ブライアン・マイアで、シルバーのボディにマットブラックのノーズという渋い出で立ちは、僚機カーNo..8の鮮やかなイエローとは好対照をなしています。スタートから8時間でサスペンショントラブルで惜しくもリタイヤとなりました。

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↑やや暗目のシルバーメタリックにマットブラックのフロントカウル上面、ブラックのストライプという出で立ちは、渋い格好良さがあります。僚機カーNo.7よりもイギリスのチームのマシンらしい雰囲気があります。

モデルは先回のカーNo.8と同様にスパークのレジン製完成品1/43モデル。'66年のワークスFORD GT8台は過去にご紹介したイクソとこのスパークで全車が製品化されていますが、イクソ製は”重戦車”とも揶揄された実車のゴツさを強調した仕上がり、スパークはどちらかというとスマートで忠実なスケールダウンに近いように感じられます。どちらもドライバー側ドア上面のコブ(車高が低くドライバーの身長によってヘルメットがつかえてしまう事への対策)の有無などをしっかり作り分けていますが、レジン製のスパーク製モデルは勿論、ダイキャストでそれらを再現したイクソも凄いなと改めて思いました。

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FORD GT特集 補足: そして66年 ~ Spark Ford GT Mk-2 Le Mans 1966 #8

・・・ようやく66年のルマンです。

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コロナウイルス、日本でも深刻になって来ていますね。元々インドアホビー野郎な当方は何ともありませんが、外で元気に遊びたい子供達(大人も?)はストレスがたまってしまいそうです。各方面への経済的な打撃も大きいですし、何より生命に関わるというのは重大事態です。当方は少し前に咳喘息で苦しんだので、コロナに感染したらまずいかも知れません。早々に収束して欲しい物ですが・・・せめてインドアで更新出来るブログの方は、楽しくフォードGT特集の補足をお送りして行きたいと思います。色々とフォードGTに関わるクルマたちをご紹介して来ましたが、いよいよ'66年のルマンであります。

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↑鮮やかなイエローのボディにシャープなブラックのストライプ、'66年の8台の中でも、最も華やかなこのカラーリングがアラン・マンレーシングに渡ったというのも面白いです。これはこれでもちろんカッコ良いのですが、英国らしい渋いグリーンとかも見てみたかった気もします。

この年、フォードワークスは大挙8台のMk-2を送り込むという,ある意味アメリカらしい物量作戦を展開します。流石に8台全てをシェルビーアメリカンでマネージメントする事は厳しく、シェルビー・アメリカン3台、NASCARで鳴らしたホール&ムーディーから3台、イギリスのアラン・マンレーシングから2台という布陣でフェラーリに挑む事となったのでした。今回ご紹介するカーナンバー8はアラン・マンレーシングからエントリーした1台で、ジョン・ウイットモア/フランク・ガードナー組がドライブ。カーナンバー7と共にモノコックをスチールからアルミに置き換えた改良型でしたが、スタートから5時間でクラッチトラブルのため早々に姿を消してしまいました。

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↑スパークのGT Mk-2はレジンボディらしいシャープなプロポーションや美しい塗装が魅力。この価格でも8台揃えるのはかなり厳しい・・・他の物は何も買えなくなります。。。

この'66年のフォードワークス8台は、かつての特集でご紹介したようにその全車をイクソが製品化していました。当方も頑張って全車をコレクションしたのですが・・・なんとその後、スパークも8台全車を製品化。ファンとして嬉しい&苦しい悲鳴を上げる事態となりました(笑)。同ブランド標準のレジン製完成品で、シャープなプロポーションと美しい塗装で見応えがあります。イクソの製品と比べると、ドライバー側ドアのループ部にヘルメットを逃げるふくらみがある点は同じですが、ランプ類のテーピング、タイヤのライン色などに差異が見られます。実車が時間帯によって異なるのか、考証の違いなのか・・・興味深い所です。

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↑画像は横組み版の映画チラシ、不要不急の外出がままならない現在、映像ソフトの発売が待ち遠しいです。

●フォードVSフェラーリ 映像ソフト予約開始・・・なのですが。

2回、3回と劇場で観たいと思っていた映画”フォードVSフェラーリ(原題:FORD V FERRARI)”ですが、コロナ騒動ですっかりその機会を失ってしまいました。。。そうこうする内に、少し前から映像ソフトの予約受付が開始になりました。発売予定は5月2日で、予定通りならゴールデンウイーク中に作品を堪能出来そうです。もう、絶対・絶対買いであります!!・・・なのですが、ディスクの基本仕様は4K-UHD仕様か、またはブルーレイとDVDのセットのどちらかなんですよね・・・。当方は4K対応のハードを持っていないのでブルーレイを購入するしかないのですが、以前から理解出来ないのがブルーレイとDVDのセット販売。DVD再生機器しかない場合ブルーレイディスクは宝の持ち腐れだし、ブルーレイを再生出来る環境であればDVDは不要だと思うのですが・・・。個人的には別々にしてその分安くして欲しいというのが正直な所。・・・こうしたセットのメリットって一体なんなんでしょうか???

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FORD GT特集 補足 : FORD GTの原型!? ~スパーク Lola GT Le Mans 1963

いよいよ´66年ルマンのフォードGT Mk-Ⅱをご紹介しようと思ったのですが、フォードGT開発に重要な影響を及ぼしたマシンのご紹介を忘れていました。。。

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あと一歩と言う所でフェラーリ買収に失敗したフォードは、そのフェラーリ打倒をも視野に入れてルマンに挑む事を決定します。しかし、長い間本格的なレーシングマシンを製作したことのなかったフォードは、ツインチューブ式フレーム+モノコックボディという基本構造や、フォードのパワーユニットをミッドシップに搭載している点がフォードGTの構想に近かったローラGTに注目。ローラカーズのエリック・ブロードレイをプロジェクトに招聘してローラGT2台を購入、フォードGT開発の基礎研究に供する事としました(この後ブロードレイは1年半ほどで離脱)。ローラGTを参照しなかったら、フォードGTは11か月という短期間では開発出来なかっただろうと言われています。

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↑コンパクトなアルミモノコックのボディ、そのミッドにフォード289cu.in.V8ユニットを押し込んだ車両パッケージング。水平に近く伸びたルーフと断ち落としたようなテールエンドが魅力的なまとまりを見せています。

このローラGTというマシン、'62~'63年の間に計3台製作された内の1号車(LGT-P)はスチール製モノコック、2号車(LGT-1)及び3号車(LGT-2)はアルミ製モノコックのボディを有し、フォード製289cu.in.(4.7リッタ-)V8エンジンとイタリアコロッティ製ギアボックスを搭載している点は初期のフォードGTに似ています。(3号車は売却された後エンジンをシボレーの6リッターにスイッチ。)ボディスタイリングは個人的にはそれほど後のフォードGT似ているとは思いませんが、ルーフに大きく切れ込んだドアなどはフォードGTに継承されていると言えるでしょうか。これはこれで60年代のレーシングマシンらしい魅力的なデザインだと思います。

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↑スパーク製のモデルは60年代のレーシングマシンの魅惑的な曲線ボディを再現、ガラス類のフィッティングも良く美しい仕上がりです。

モデルはスパークから発売された1/43レジン完成品です。かつてご紹介したポリトーイのMシリーズのモデルはダイキャスト製で特徴的なドアが開閉するなど、往年のミニチュアカーらしい魅力に溢れた1台でしたが、こちらは現代のレジン完成品らしいシャープで精密な仕上がりです。それぞれにスケールモデルとして異なる魅力に溢れていて興味深い所です。フォードGTのヒストリーを辿る上では欠かせないクルマなので、どちらも製品化してくれたことに感謝です。同一スケールで並べるとフォードGTよりもかなりコンパクトなクルマである事が分かります。

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↑過去にご紹介したポリトーイMシリーズのモデルとツーショット。材質や仕上がりは異なりますが、それぞれに魅力があるように思います。

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↑シンプルなプロトタイプのフォードGTと比べても、よりコンパクトなボディで車幅も狭いです。(車体は前端合わせ)

モデルは'63年のルマンにエントリーした2号車(LGT-1)で、短期間の開発でルマンに挑んだ結果、ギア比がサルテサーキットに合わない状態でのレースを強いられ、スタート後15時間でギアボックストラブルのためリタイヤとなりました。売却された3号車以外はフォードが購入して基礎研究に供されたので、その後1号車・2号車はレース等には出場していないのではないかと思われます。軽量コンパクトなアルミモノコックボディのミッドにアメリカンV8を押し込んだ車両パッケージは非常に魅力的なだけに、そのままレースにエントリーを続けていたらどのようなリザルトを残していたか・・・たらればになってしまいますがついつい想像してしまいます。

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昭和41年丙午(ひのえうま)年生まれ

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