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アメリカ人が造ったスーパーカー。 ~Spark '92 Vector W8

今回ご紹介するのは、もしもアメリカ人がカウンタックを造ったら!?・・・という実例です(笑)。


Spark_vector_w8_1


↑強く絞り込まれたフロントノーズ、恐い目つきのフロントマスク、アクの強い造形は実にアメリカン。


・・・と言う事でべクターであります。当方がこのクルマの存在を知ったのは’79年、まだ中学生の頃でした。書店で手にしたカー・アンド・ドライバー誌の79年11月号に、ベクターW2なるSF映画から抜け出して来たような斬新な試作車が紹介されていたのでした。そのクルマはボートや自転車のデザインも手掛けるビークル・デザイン・フォースという会社の社長であるジェラルド・A・ウィガードがデザインし、クライスラー製(カー・アンド・ドライバー誌の記述のまま。他の資料によればシボレー製というのが正しいようです。)の5.7リッターOHVエンジンに、メルセデス用のボッシュ製フューエルインジェクションとギャレットエアリサーチ製のターボチャージャーをツインで装着してミッドシップに搭載。600hpのパワーで時速340km/h、世界最速のロードゴーイングカーを目指すという物でした。クルマ大好き少年だった当方は凄いな~と思いつつ、「このクルマ、ホントに量産化されるのかな~。」と訝しんだものでした・・・。


Car_and_driver_1


Car_and_driver_2_2


↑カー・アンド・ドライバー誌1979年11月号に掲載されたプロトタイプ、ベクターW2の記事。当時中学生の当方がリアルタイムに購入した物です。


その後スーパーカー世代でありながらスーパーカーよりもマッスルカーが好きな当方は、このクルマの事はすっかり忘れてしまっていたのですが・・・。その存在をリマインドしてくれたのはスパークから発売されたモデルカーでした。「そう言えばこんなクルマ、あったよな~。」と思い出して調べてみると、その後ウィガードはベクター・オートモティブを設立、W2の発展型であるW8を発表します。が、資金難から量産化はなかなか進まず、’89年から’93年までの間に僅か19台(2台の先行量産車+17台の市販車)のみが製造されるに留まったようです。その後ベクターカーズはデロリアンブルックリン同様、車両の品質問題、資金難、ウィガードの離脱等、この種のプロジェクトにありがちなゴタゴタの末に倒産。ウィガードは近年ヴェクターの商標権その他を取り戻してVector Motors Co.を設立し、新たなスーパーカーWX8を世に送り出す事に取り組んでいるのだそうです。W2の発表からW8の市販まででも10年以上、その後の苦難を考えると、この人の「世界最速の市販車」に掛ける情熱というか執念は凄まじい物がありますね。


Spark_vector_w8_2


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↑W8のデザインは、基本的にはプロトタイプであるW2のそれを引き継いでいます。


さて、本題のベクターW8ですが、アルミハニカム材等をを多用したセミモノコックのシャシーにカーボンやケブラーの外被を被せ、シボレーのレ―ス用をベースとしたツインターボエンジンをミッドに横置き搭載。625bhpで最高速度は354km/hと発表されていたようです。スタイリングは楔そのものと言った直線的なウエッジシェイプ+前ヒンジで上方に開くドアと、これは明らかにランボルギーニの歴史的スーパーカー、カウンタックの影響が色濃く感じられます。・・・が、そこはアメリカンデザイン。イタリアの芸術的閃きとは明確に異なるバタ臭いアクの強さが・・・嫌いじゃないですよ~当方は(笑)。完成度云々は言うべきではないかも知れませんが、独特の存在感というか、”欧州製スーパーカーを蹴散らしてやろう”的な気概は感じられるように思います。


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↑そのスタイリングは多分にあのランボルギーニ・カウンタックの影響を受けていると思われますが・・・1人のアメリカ人の主義・主張が強く入ると、かくも個性的なカタチになります。


モデルは前述の通りスパーク製のレジン完成品。この黄色のバリエーション以前に、ホワイトのボディでリトラクタブルライトが閉じた状態の物も発売されていました。どちらも発売時に凄く気になっていたのですが、その時には資金が廻らず買い漏らしていました。近年になって海外オクでこの個体を見つけ出し、何とか捕獲した次第。個性のカタマリみたいな実車のイメージをよく捉えていて、仕上がりも当方的には十二分と言う感じ。実車とその関係者は苦難を強いられたクルマですが、ミニカーを眺めていると何故だか笑みがこぼれてしまいます。「このクルマでヨーロッパの歴史あるスーパースポーツカーを打ち負かそうとしたのだな~」と・・・。アメリカ車好きの当方としては、その歴史の1部として手元に置いておきたい1台でありました。

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Comments
 No title
ベクターですか。
ベクター意外と好きですw

Vector M12とか特に・・・。

WX8なんてあったんですね。知りませんでした。
 No title
NONOJI様

いらっしゃいませ~。
>ベクター意外と好きですw

そうそう、その感じ分かります(笑)。
当方も嫌いじゃないです・・・と言うかかなり積極的に好きかも・・・。
最初のインパクトが強かったので、やっぱり心のどこかに残っていた
のでしょうね。スパークのモデルはそれなりのお値段なので迷い
ましたが、やっぱり買わなかったら後悔していただろうと思います。

当方はリアルタイムで情報を得ていたので、やっぱりこのW2/W8の
印象が強いです。WX8も是非とも量産に漕ぎ着けて欲しいものです。
 No title
ううー、、コレもコメントに困るww

で、これも米国車なのでせうか、、
 No title
覆面える様

いらっしゃいませ~。
会社の発祥はカリフォルニアで、途中インドネシア資本が入ったりも
しているようなのですが、カーグラの別冊 自動車アーカイヴ Vol.12
80年代のアメリカ車編にもしっかり掲載されていたので間違いないかと・・・。

当方は↑のカー・アンド・ドライバー誌で知っていたのでつい・・・。
・・・コメントに困るネタばかりですみません。。。(笑)
 No title
ベクターありましたね~!
そっか~、結局、そんな台数しか作られなかったのか…。
アメリカの場合、そういうクルマでも公道を走ることができるだろうから、
そのわずかな生産車は今でも人目をひきまくりでしょうね!ヽ(´ー`)ノ

私的にはこっちの路線の方がスキー(°∀° )
 No title
fziro様

いらっしゃいませ~。
そうなんですよね。僅かですが市販されたようです。当方は記事中の
雑誌で見た以降はこのクルマの事は暫く忘れていたので、逆に市販
されたんだな~とちょっと驚きつつ喜びました(笑)。

その後何回か試作されたクルマにもスタイリングに一貫性があったので、
ウィガードという人には信念があるのではないかと思います。
このクルマはそのままSF映画に出て来てもおかしくなさそうなので、
当方も大好きであります。
 No title
お久しぶりです

ベクターのミニチュアがあったとは驚きです
確か20年位前に出張で京都に行った時にアルミ地肌の様なシルバーの現車を目撃した事があります(その個体は去年780諭吉で売りに出されてたけどまだあるのだろうか?)

高校の頃にモーターマガジンか何かのコンプリートカーを特集した本にケーニッヒの512BBやイスデラのC111レプリカの写真に混ざってW8のプロトタイプの写真があって、そのブッ飛んだ外装とF-15イーグルのモノを使ったシートやデジタル表示のコックピットにヤラれましたw

そういや94年頃のマッスルカーマガジンのビデオ版にベクターのCMがあったな…
チョット捜してみよう
 No title
桃色ジープ様

いらっしゃいませ~。
お久しぶりです!! いや~、おいで頂きとても嬉しいです。
どうかまたちょくちょくお寄り下さいね。

ベクター、この記事をアップする時に色々調べたのですが、やっぱり
日本にも棲息しているようです。
19台の内の1台ですからかなり希少なクルマですよね。

量産のベクターってF15のシートを使っているんですか!?
なんだか物凄いですね~。更に好きになりました(笑)。
どことなくカウンタックに似た所もありますが、それとも違う強烈な個性
を持っていますよね。こういうクルマが存在しえたこと自体、とても
愉快なことだな~と思います。
 No title
色々調べてみた所、F-15のシートを使っていたのはプロモーション用を兼ねたプロトタイプの1台のみの様ですね。
デザインが何となく兵器を思わせるデザイン(コックピットのモチーフもジェット戦闘機のコックピットのイメージだそうです)なんでピッタリかと

それにしてもこんなブッ飛んだ内容の車なのにミッションが3速ATのみって所はある意味アメリカらしいなぁw

追記
W2のプロモビデオがありました
ttp://youtu.be/mtXXnRLZnS8
 No title
桃色ジープ様

いらっしゃいませ~。
F15のシートはプロモーション用でしたか(ちょっと残念/笑)。
ホント、このクルマのデザインはSF映画なんかで使われても違和感
なさそうな感じですよね。戦闘機のシートをチョイスすると言うのは
なかなかのアイデアだったのかも知れませんね。
エンジンはV8、ミッションは3ATで340km/hとか豪快なクルマだと思います。

プロモビデオ拝見しました!貴重な情報、有難うございます!
ウィガードと言う人ってこんな容貌なんだな~とか、エンジン音はやっぱり
アメリカ車なんだな~とか色々楽しめました。
クルマもさることながら、女性のファッションとかも'80sを感じさせますね~。
ベクターはスペースエイジのスポーツカーだったんですね(笑)。
 No title
生産数が少ないと言われている「ベクター W2(デザインはまんまカウンタック風である)」。実はベクター W2が登場したアニメではルパンでもコナンでもなく、ましてトランスフォーマーでもなければ…、そうあの国際映画社のロボットアニメ「超攻速ガルビオン」。本作ではベクター W2がロボットに変形しますが、ガルビオン/サーカス1の支援メカとして登場しています。主にテリーが操縦する。バイヤーからはパイロットの顔が見える様に設計されているため、可変パワードスーツとして設計されたという可能性もある。物語の後半ではロードアタッカー形態のガルビオン/サーカス1と合体し、「ロードアタッカー・ウエポンブースター・ゼクター」になりますが、物語が途中で打ち切られたため、劇中では未登場となった。
 No title
マイケル村田様

はじめまして。
1/43アメリカ車ばかりの当ブログへようこそおいで下さいました。
コメント有難うございます。

「超攻速ガルビオン」、画像検索などで確認してみましたが、仰る通り
ベクターですね。恥ずかしながらこの作品は知りませんでした。
ベクター自体が元々SF映画から抜け出てきたようなデザインなので
採用されたのかも知れません・・・。
情報、有難うございました。
 承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
 Re: MEMORY of VECTOR W8
TOSHICHAN様

頂いたコメントが文字化けしていて判読出来ませんでした。
当方にはどうして良いやら分からず・・・。
申し訳ございません。

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Author:Ponys41
昭和41年丙午(ひのえうま)年生まれ

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