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スクリーンを駆け抜けたクルマ達&'71~'73マスタング特集 《考察》 エレナーはなぜマッハ1ではないのか!?”

いやいや、やっぱり12月に食い込んでしまいました。。。長々・切れ切れにお送りしてきた'71~'73マスタング特集、最後はバニシングin60のヒロイン、エレナー(エレノア)について語って締めくくりたいと思います。

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過去にも記した事がありますが、劇中で'73年型という事になっているエレナー(近年風に言うとエレノア)ですが、実際には'71年型を改装して'73風に仕立てたものと言われています。これは'73年の映画撮影開始に先立って、およそ1年の歳月を掛けて各部の強化や安全対策(当時の改装中の画像を見るとドアビームなども設置されているように見えます)の準備が開始された事によるもので、このためエレナーの外観は'71~'72のマッハ1で使われていた細身のウレタンバンパーと、その下のクリアランスランプに、'73型のラジエターグリルを組み合わせたようなフロントマスクとなっています('73マスタングではスタンダードモデルでもより大型のウレタンバンパーが標準となっていた)。またその外観はスタンダードモデル及びマッハ1の302エンジン搭載車の選択オプションとなっていたインテークのないプレーンなエンジンフードをベースにストック仕様にはなかった独特の2トーンペイントが施されています。

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↑'71マスタングをベースに'73風に仕立てられたという”エレナー”、細身のウレタンバンパーとバンパー下のクリアランスランプという’71の特徴と、ラジエターグリルにタテにビルトインされたクリアランスランプという'73の特徴を併せ持つ独特の表情を見せます。正規の'73マスタングはベースモデルも含めて大型化されたウレタンバンパーを装着していました。

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↑リア周りは'71/'73共にマッハ1ではガーニッシュが装着され、ダックテール部分にはそれぞれデカールが貼られていました。対するエレノアはダックテール部分までブラックに塗られており、こちらも独特の姿となっています。プレミアムXのモデルは、'73にはリアバンパーにオーバーライダーが装着された姿となっています。

今回改めて画像検索等で調べてみたのですが、ストック状態と思われる'73マスタングのスタンダードモデルで、エンジンフードやボディーのロワーをブラックでペイントした仕様は見つけられませんでした(そもそも'73の場合、マッハ1でもボディ下部は黒く塗られていません)。スタンダードモデルで言うならば、'71~'72も状況は同じのようです。ハリッキー氏がエレノアに何故このような独特の外観を与えたのか、その理由は良く分かりません。或いは単色で塗られたスタンダードマスタングでは何となく物足りないので、氏の好みでちょっとカッコ良く仕立てたのかも知れませんし、映画のヒロインとして独特の姿にしたかったのかも知れませんが・・・そもそも作品の主役に据えるなら、なぜ当時トップグレードだったマッハ1にしなかったのか?というより大きな疑問に突き当たります。

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↑エレノアの外観は'71~'73のスタンダード・マスタング、及びマッハ1は合致しません。'71マッハ1はインテーク付きエンジンフードで、エクステリアデコラオプションを選ぶとサイドにストライプが入ります。

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↑同じ'71マッハ1でも吊るしの状態ではエンジンフードはインテーク付きながら黒くなりません。

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↑'73年型ではマッハ1でもボディサイド下部はブラックアウトされず、太いストライプが入るのみです。'71~'73マスタングのスタンダードモデル(と、マッハ1の302エンジン搭載車でインテーク付きフードを選ばなかった場合)はエレノアと同じプレーンなエンジンフードとなりますが、スタンダードマスタングにもこのような2トーンは存在しなかったと思われます。

映画公開当時の日本のパンフレットによると、エレナーに搭載されたのは351cu.inの4ボルトメインベアリングと記載されているので、おそらく351CJ〈コブラジェット)ではないかと思われます。エレノアがどんな仕様のベース車から生み出されたのは分かりませんが、強化されたボディや足回り、搭載エンジンからすれば、映画のヒロインとして華々しくマッハ1に仕立ててもおかしくないスペックです。インディーズの低予算映画だったとは言え、インテーク付きのエンジンフードやボディサイドのストライプ、前後スポイラーやマグナムホイールを調達して、最も派手なマッハ1のデコラオプション仕様の外観を与える事も簡単に出来たの筈なのです。ハリッキー氏が何故そうしなかったのか?ここからは当方の邪推でしかないのですが、そこには氏が作品に込めたある意図があるのではないか・・・そう考えています。

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↑プレミアムXの'71マッハ1はこってりした濃いミディアム・イエロー・ゴールド、過去ご紹介のミニチャンプス製'71マッハ1は明るいグラバー・イエローです。グリーンライトのエレノアはボディカラーとしてはグラバー・イエローという解釈でしょうか。DVDなどで実車を見ると、ミディアム・イエロー・ゴールドのように見えない事もないのですが・・・。

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↑カーチェイスシーンの撮影に使われたエレノアは1台だけだったと言われていますが、ご存じの通りラストシーンにはもう1台同じ仕様のマスタングが登場します。こちらはアクションシーンには使わず、外観のみ合わせた個体なのだろうと思われます。実はカーチェイスシーンの初めの方に、このもう1台の”黄色いムスタング”がちょこっと顔を見せていたりします。

バニシングin60という作品は、40分以上に渡るカーチェイスとは裏腹に、全体としてはどこかのんびりとしたユーモラスな雰囲気のある作品で、それがアメリカンニューシネマの名作、バニシング・ポイントやダーティ・メリー クレイジー・ラリーなどとは一線を画する独特の味わいになっていたと思います。メイドリアン・ペイス率いる窃盗団は、鮮やかな手口で高級車やスーパーカーを次々と盗み出し、中には実行不可能と思われるパーネリージョーン氏所有の競技用オーリー・ブロンコも含まれていましたが難なく処理しています。…なのに、当時のアメリカではごくありふれた、マッハ1でもBOSSでもないスポーツルーフのマスタング=エレナーだけには手こずらされ、仲間の密告から一大逃走劇に突入してしまいます。ここが本作の最大のアイロニーでありユーモアなのではないか?そのためエレノアはマッハ1ではないものの、作品のヒロインとして特徴を持たせるために通常のスポーツルーフとは異なる姿にカスタマイズされたのでは!?・・・これが、エレナーがあのような出で立ちになった事についての当方の推測であります。

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